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足の裏が熱いのは糖尿病の前兆?考えられる疾患と原因を解説

[2024.07.01]

足の裏が熱いと感じる場合は、糖尿病を発症している可能性があります。

糖尿病になると、長期的に血糖値が高い状態が続くことで神経が傷つき、足の裏に異常を感じることが多いです。

この記事では、足の裏が熱いのは糖尿病の前兆なのか、足の裏の熱さに関連する疾患、糖尿病以外に考えられる疾患や原因、症状について詳しく解説します。

足の裏が熱いのは糖尿病の前兆?

はじめに、足の裏の熱さと糖尿病の関連性について詳しく解説します。

足の裏が熱いのは糖尿病性神経障害

足の裏が熱いと感じる場合、糖尿病性神経障害になっている可能性があります。

糖尿病性神経障害とは、糖尿病に起因する神経障害の一つで、長期にわたって血糖値が高い状態が続くことで神経が傷つき足の裏などに異常をきたす疾患です。

糖尿病の合併症にはいくつかの種類があり、その一つが糖尿病性神経障害となります。

糖尿病性神経障害になると足の裏だけでなく、その他の手足にも異常をきたす可能性があるため、何らかの症状が出ている場合は注意が必要です。足の症状は、通常両側に起こり、安静時にひどくなり、運動すると改善することが多いです。

ただし、足の裏が熱く感じる疾患は他にもあるため、他の疾患を発症している可能性も疑いましょう。

足の裏の熱さに関連する疾患

足の裏が熱い場合は、糖尿病だけが原因とは限りません。ここからは、足の裏の熱さに関連する疾患について詳しく解説します。

更年期障害

更年期障害になると自律神経のバランスが崩れ、体温調節がうまくできなくなることで足の裏が熱く感じる場合があります。

更年期障害は女性に多いといわれていますが、男性も含め40歳を超えるとホルモンの分泌量が減り、体調不良や情緒不安定になりやすいです。

その他、息切れや動悸、顔の火照り、気分の浮き沈みなどの症状が見られる場合は更年期障害の可能性を疑いましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症になると体温調節がうまくいかず、過度な発汗によって足の裏が熱く感じられる場合があります。

自律神経失調症は現代人が陥りやすい疾患の一つで、息切れや動悸、顔の火照り、気分の浮き沈み、倦怠感、疲労感を抱きやすいです。

特に、ストレスを溜め込んでいる人は自律神経が乱れやすいため、常に完璧を目指してしまう人やプレッシャーのかかる環境にいる人は注意しましょう。

自律神経失調症は精神疾患につながる可能性があるため、自力で改善できない場合は心療内科や精神科を受診してください。

冷え性

冷え性の場合、血流を良くする過程で足の裏が熱くなることがあります。血管が収縮して血行不良となり、うまく循環されずに足の裏に滞留するのが原因です。

冷え性は疾患というよりも本人の体質であるため、普段から入浴などで全身を温め、血の巡りを良くするよう意識しましょう。

入浴時は、半身浴ではなく40度程度のお湯での全身浴が望ましいです。あわせて、食生活の見直しを行うことも推奨します。

冷え性は生活習慣が原因の場合もあるため、普段から冷房で体を冷やしすぎないのはもちろん、温かい汁物などを積極的に摂取しましょう。

疲労

疲労が溜まっている場合、血の巡りが悪くなり、足の裏が熱く感じることがあります。足の裏は末端に位置し、血液が停滞しやすい場所であるのが原因です。

過度に疲労が蓄積するとストレスも蓄積し、自律神経の乱れにもつながります。疲労自体は疾患ではないものの、過度に溜め込むとさまざまな疾患を引き起こす可能性があります

疲労は病気の原因となりやすいため、休むことも忘れてはなりません。

レストレスレッグス症候群

レストレスレッグス症候群は、別名「むずむず脚症候群」とも呼ばれる疾患で、足の裏に異変を感じる疾患の一つです。

動いている間は何も感じないものの、じっとしていると脚の下部に不快感を覚えます。

一度レストレスレッグス症候群を発症すると、慢性的な脚の違和感から不眠症や自律神経失調症を併発する可能性があります。

女性の方が発症しやすい病気といわれていますが、男女とも発症する可能性はあるため、症状が見られる場合は早めの治療を推奨します。

糖尿病以外に考えられる疾患

ここからは、糖尿病以外に考えられる疾患について詳しく解説します。

下肢静脈血栓症(かしじょうみゃくけっせんしょう)

下肢静脈血栓症は、静脈に血栓(血の塊)ができる疾患で、足の裏が熱いと感じる代表的な疾患の一つです。足の静脈で起こりやすい疾患で、痛みや腫れが同時に見られます。

血栓が血液に乗って流され、脳や肺などの重要な血管に詰まることもあるため、早期の治療が必要な疾患です。

下肢蜂窩織炎(かしほうかしきえん)

下肢蜂窩織炎は、皮下組織の深いところから皮下脂肪の浅いところにかけて細菌感染による炎症が起こる疾患で、足の裏が熱いと感じる代表的な疾患の一つです。

炎症を起こしている部位は痛みや腫れが見られ、熱感を伴います。

症状が進行すると発熱など体全体に症状が出てくるため、専門医による治療が必要な疾患といえるでしょう。

肢端紅痛症(したんこうつうしょう)

肢端紅痛症は、手足に赤みや熱さが現れる疾患で、数分〜数時間ほど痛みを繰り返します。手足を温めると症状が現れやすいため、冷たい水に浸して経過観察する処置が効果的です。

ただし、放置すると症状が悪化する可能性があるため、しばらく赤みや熱さ、痛みが続くようなら専門医にご相談ください。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、「やる気ホルモン」と呼ばれる甲状腺ホルモンが不足する疾患で、足がむくむことで熱さを感じやすくなります。

症状が進むと全身がむくみ、やる気が損なわれ、だるさを感じやすいです。

食べていないのに太るなどの症状が出やすいため、体型の変化が著しい場合は甲状腺機能低下症を疑いましょう。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎(背骨の腰部分)にある椎間板(クッションの役割を持つ部位)が突出したり変形したりしている状態です。

飛び出した椎間板により神経が圧迫され、該当箇所に痛みや痺れが発生します。

ときには足が火照ったり熱く感じられたりするため、感覚異常が見られる場合は腰椎椎間板ヘルニアを疑いましょう。

足の裏が熱いと感じる原因

ここからは、足の裏が熱いと感じる原因について詳しく解説します。

神経疾患

足の裏には繊細な神経が密集しており、何らかの神経疾患を発症している場合は足の裏に熱感を感じやすいです。

神経疾患は脳や脊髄、その他の神経が侵される疾患で、身体機能を制御しているため該当する症状は多岐にわたります。

必ずしも「足の裏が熱い=神経疾患」ではないものの、突然足の裏が熱く感じるようになった場合は検査してください。

ストレスの過多

過剰なストレスは自律神経を乱れさせ、体温調節機能を阻害するため、足の裏が熱くなる場合があります。

ストレスは万病のもとであるため、定期的に解消しなければいけません。

特に食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足はストレスの原因となるため、定期的に休息を取りながら自分自身の体調管理を徹底しましょう。

冷房の過度な使用

常に冷房を使用している場合、血行不良を引き起こして足の裏が熱くなりやすいです。特に足の裏は毛細血管が密集しており、血流が滞ると異常事態が発生しやすくなります。

熱中症にならないよう冷房を使用するのは問題ありませんが、過度に使用すると体温調節機能が損なわれ、うまく体温調節ができなくなることも珍しくありません。

冷房の過度な使用には、十分に気を付けましょう。

足の裏で注意しておきたい症状

ここからは、足の裏で注意しておきたい症状について詳しく解説します。

足の裏が熱いと感じる

足の裏が熱いと感じる場合は、糖尿病を発症している可能性があります。

特に血糖値が高い状態が続くと神経が傷つき、足の裏が熱く感じやすくなると考えられているため、十分に注意が必要です。

また、何もしていないのに足の裏が熱く感じられる場合は、糖尿病以外の疾患を発症している可能性もあるため、早めに病院にご相談ください。

足の感覚が鈍くなっている

足の感覚が鈍くなっている場合は、糖尿病を発症している可能性があります。

特に糖尿病性神経障害は、病状が進行すると通常より感覚が鈍くなり、怪我をしやすくなるため注意が必要です。

場合によっては、ガラスの破片を踏んでも気づかないくらい足の感覚が鈍くなることも珍しくありません。

針で刺すような痛みがある

針で刺すような痛みがある場合は、糖尿病を発症している可能性があります。

糖尿病は感覚が鈍る場合もあれば痛みが発生する場合もあるなど、人によって症状の程度は千差万別です。

ときには針で刺されているような痛みが発生する場合もあるため、ちくちくとした痛みがある場合は糖尿病を疑いましょう。

糖尿病は手にも症状が出る

糖尿病は足だけでなく、手にも症状が出る場合があります。主な症状は、次の通りです。

  • 痺れ
  • 冷え
  • むくみ

足は繊細な神経が通っていますが、手も同様に繊細な神経が張り巡らされています。糖尿病になると手の痺れや冷え、むくみが発生するため注意が必要です。

糖尿病は足に症状が出ることが多いといわれていますが、手に症状が出ることもあります。ただし手のみの症状は典型的ではなく、足に症状があった上での足の症状となります。手足全体に何らかの異常が発生する場合があるため、早めに病院を受診しましょう。

糖尿病は、体の末端が壊疽(組織が腐ってしまうこと)することで切断を余儀なくされる場合もあるため、早めの治療が欠かせません。

足の切断になる理由

糖尿病になると、神経障害が進行して足先の感覚が麻痺し、結果的に壊疽が発生することで切断を余儀なくされる場合があります。

糖尿病によって足先が麻痺すると怪我、火傷、水虫、靴擦れ、たこなどが発生しても気にせず放置してしまう場合が多いです。

こうした症状を放置して症状が悪化し、知らないうちに炎症・感染症を発症することがあります。その結果、足先が壊疽を引き起こし切断を余儀なくされる可能性があるというわけです。

糖尿病が必ずしも足の切断につながるわけではありませんが、十分なケアが必要となります。

毎日足を観察して炎症・感染症を引き起こしていないかチェックしたり、よく洗って清潔にしたり、クリームなどで保湿したりと日々のケアは欠かせません。

病院によってはフットケア外来を設けているところもあるため、糖尿病の人はもちろんそれ以外の人も一度相談してみてはいかがでしょうか。

糖尿病は、とにかく早めの治療が最重要です。

まとめ

足の裏が熱いと感じる場合は、もしかしたら糖尿病かもしれません。

糖尿病のなかでも、糖尿病性神経障害を発症すると足の裏が熱く感じられ、ときには激しい痛みを伴います。放置すると切断が必要となる場合もあるため、十分に注意が必要です。

しかし、糖尿病は自覚症状があまりない人もいて、気づかないうちに症状が悪化していることがあります。そのため、定期的に健康診断を受けておくことが重要です。

はまゆり糖・生活習慣病クリニック溝の口では、糖尿病や生活習慣病の検査を行っています。

10年以上の大学病院での勤務経験を経た糖尿病専門医による診療が可能であるため、足の裏が熱いなどの症状が見られる場合は、ぜひご相談ください。

当院では検査結果がすぐに確認できるよう準備を整えており、高度医療機関との連携や各種超音波(エコー)検査で他の疾患も評価可能です。

駅近で通いやすい立地にあるため、通院も苦になりません。

糖尿病は放置しても自力で完治できないため、何らかの異常が見られた段階で手を打つことが重要です。足に異常が見らえる場合は、お気軽にご相談ください。

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