糖尿病は何科に行けばいい?検査を受けるべき理由を詳しく解説
糖尿病は内科、眼科、泌尿器科などで診療してもらえますが、何科を受診すれば良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、糖尿病は何科に行けばいいか、検査を受けるべき理由、自宅でできる糖尿病予防について詳しく解説します。
糖尿病は何科に行けばいい?
はじめに、糖尿病は何科に行けばいいのかについて詳しく解説します。
内科(糖尿病内科)
糖尿病は、内科(糖尿病内科)で主に診察します。特に、以下のような症状がある場合は内科(糖尿病内科)の受診が望ましいです。
- 倦怠感・疲労感がある
- 尿の量・回数が増えた
- 体重が減った
- 傷が治りにくい
- 手足の感覚が鈍い
上記のような症状がある場合、糖尿病の可能性が考えられます。糖尿病は自律神経の乱れを引き起こし、だるさを感じやすくなるため、体調の変化には注意が必要です。
糖尿病は初期症状がわかりにくい病気だけに、微妙な変化も見逃さずに医師に相談するのが治療への第一歩となるでしょう。
眼科
糖尿病は、眼科での診察も必要です。特に、以下のような症状が出ている場合は眼科の受診を推奨します。
- 目が見えにくい場合
- 視力が低下した場合
- 明暗の調節ができない場合
目が見えにくい場合や視力が低下した場合、糖尿病の可能性が考えられます。
糖尿病の合併症により失明する可能性があるため、症状がある場合や、症状がなくとも糖尿病と診断された場合には早めの眼科受診が望ましいです。目の異常が発生している場合は眼科にご相談ください。
泌尿器科
糖尿病は、泌尿器科での診察が入口になることもあります。
- 尿の匂いが気になる
- 頻尿が見られる
尿の匂いが気になる場合や頻尿が見られて泌尿器科を受診した際に、尿検査から糖尿病が疑われることもあります。尿に何らかの問題がある場合は泌尿器科に相談しましょう。
糖尿病の検査の大まかな流れ
ここからは、当院での糖尿病の検査の大まかな流れについて詳しく解説します。
初診時
1.受付後に看護師(糖尿病療養指導士)もしくは医師(糖尿病専門医)による問診
2.血液検査・尿検査による状況の把握
3.医師(糖尿病専門医)による診察
4.治療方針の決定
以上が、当院での一般的な糖尿病の初診時の流れとなります。
ただし、病院によって診察の流れが変わる可能性があるため、何かわからないことがある場合は病院のスタッフに相談しましょう。
再診時
1.血液検査・尿検査による状況の把握
2.結果を一緒に観察しながら診察、順次合併症の評価
3.終了後に必要時は看護師(糖尿病療養指導士)による追加の説明
以上が、当院での一般的な糖尿病の再診時の流れとなります。
ただし、治療中に他の疾患を併発する可能性もあるため、適宜治療方針の変更と合併症の検査を行う場合があります。
糖尿病の治療はすぐに終わるものではなく一生付き合っていく覚悟が必要となるため、信頼できる医師を見つけましょう。
糖尿病の検査を受けるべき理由
ここからは、糖尿病の検査を受けるべき理由について詳しく解説します。
自覚症状がなく気づきにくい
糖尿病は、自覚症状がなく気づきにくいため、定期的な検査が必要です。気づいたときには症状が悪化しており、早急な治療が必要となっている場合もあります。
糖尿病の初期症状は以下の通りです。
・目の霞み
・喉の渇き
・全身の倦怠感・疲労感
・手足の痺れ・冷え・むくみ
・頻尿・多尿
・食べても瘦せる
・急激に太る
どのような症状が出るかは人によって違うため、自分自身の体調の変化を見逃さないようにしましょう。
特に、糖尿病は目の霞みや喉の渇き、全身の倦怠感・疲労感が顕著です。手足の感覚や尿に異常をきたすこともあるため、定期的な検査が必要となります。
糖尿病が気づかない間に悪化している場合があるため、自覚症状がなくても生活習慣には常に気を付けましょう。
自然治癒することがない
糖尿病は、自然治癒することがないため定期的な検査が必要です。放っておけば直るかすり傷とは違い、糖尿病は常に進行していきます。
治療には糖尿病専門医や糖尿病療養指導士によるサポートが必要となるため、放置せず真剣に向き合わなければいけません。
軽度であれば治療も進めやすいため、初期段階で病院に行くのが望ましいです。適切な検査を行い生活習慣を見直せば、糖尿病の進行は抑えられます。
悪化してからでは症状を抑えるのが困難となるため、早い段階で検査を行うのが重要といえるでしょう。
誰でもなる可能性がある
糖尿病は誰でもなる可能性があるため、自覚症状がなくとも検査は定期的に行いましょう。
割合としては女性よりも男性が発症しやすいことがわかっていますが、生活習慣が乱れていれば男女ともに発症します。
糖尿病になりやすい人の特徴は、以下の通りです。
・毎日の食生活が乱れている
・毎日ストレスを抱えている
・飲酒・喫煙の習慣がある
・運動不足・睡眠不足
・長時間座っている
糖尿病は、食生活が乱れている人やストレスを抱えている人がなりやすい疾患とされ、過度な飲酒・喫煙や運動不足・睡眠不足も原因となります。
ストレスは暴飲暴食を引き起こし、自律神経を乱れさせ、糖尿病以外の疾患も引き起こしやすくなるため、定期的に解消しなければなりません。
しかし、人によってはうまく生活習慣を改善できず、ストレスを溜め込んだまま糖尿病になる場合が多いです。
糖尿病は誰でもなる可能性があるため、自分は大丈夫と過信せず、定期的に検査を受けるのが望ましいです。
悪化すると恐ろしい事態になる
糖尿病の悪化で考えられる恐ろしい事態は、足の切断です。
糖尿病を発症すると足を切断しなければいけないわけではありませんが、感覚が鈍ったまま放置すると炎症・感染症が悪化し、切断を余儀なくされる可能性があります。
糖尿病は足の感覚を麻痺させ、ときにはガラスの破片を踏みつけても気づかないほど感覚が鈍ってしまう場合もあります。
悪化する前に、適切な治療を行うことが重要です。
糖尿病かどうかを調べる検査
ここからは、糖尿病かどうかを調べる検査について詳しく解説します。
血液検査
糖尿病の検査では、血液検査を受けるのが一般的です。血液検査には、次のようなものがあります。
- 血糖値検査
- HbA1c検査
血糖値は、血液中の糖の濃度を数値化したもので、検査では空腹時と食後2時間後の血糖状態を調べるのが一般的です。
一方、HbA1cは1〜2ヶ月の平均した血糖値を数値化したもので、検査では採血時の血糖状態を調べるのが一般的です。
尿検査
糖尿病の検査では、尿検査を受けるのが一般的です。主に尿検査では、尿に含まれる尿中アルブミンの数値を測定します。
尿中アルブミンは尿蛋白の主成分で、健康な人の場合はごくわずかしか存在しません。
しかし、糖尿病の人は尿中アルブミンが一定量を超えており、将来的に人工透析を受けなくてはならないリスクが懸念されます。
人工透析は血液から老廃物や余分な水分を取り除く治療で、糖尿病患者にとって重要な治療の一つです。
尿検査では、今後の治療を左右する尿中アルブミンの数値を測定できるため、糖尿病が疑われる方は一度病院で検査を受けてみましょう。
自宅でできる糖尿病予防
最後に、自宅でできる糖尿病予防について詳しく解説します。
食生活を改善する
糖尿病を予防するためには、食生活の改善が重要です。まずは朝昼晩の1日3食を基本として、バランスよく適量の食事を摂取しましょう
特に朝食は1日のエネルギーを作り出す重要な食事となるため、安易に抜いてはなりません。昼食と夕食は食べ過ぎないよう注意し、できるだけ余計な間食は避けましょう。
食事の内容は野菜を十分に摂取し、炒め物や揚げ物は控えめにすることを推奨します。
主菜は魚・肉・卵・大豆製品などを中心とし、メニューが偏らないようにしてください。もし食べ過ぎてしまった場合は、翌日の食事量を控えめにするなどうまく調整しましょう。
なお、飲酒・喫煙は肥満や高血糖の原因となるため、極力は避けてください。
運動時間を確保する
糖尿病は、運動時間を確保することで予防になります。運動不足は糖尿病の代表的な原因の一つであるため、1日30分〜1時間は運動するようにしましょう。
毎日の運動が大変な場合は、週に2〜3日でも構いません。運動は習慣化しないと長続きしないため、無理のない範囲で行うことを推奨します。
睡眠時間を確保する
糖尿病は、睡眠時間を確保することで予防になります。睡眠不足は糖尿病の代表的な原因の一つであるため、1日6〜8時間はゆったりと睡眠を取るようにしましょう。
睡眠の質が悪いといくら寝ても健康を害する場合があるため、睡眠の質を良くすることが重要です。まずは快適な睡眠環境を整え、リラックスした気持ちで休むことを心がけましょう。
ストレスを解消する
ストレスは万病のもととされ、糖尿病を悪化させる要因の一つです。人間は、ストレスを感じるとアドレナリンやコルチゾールというホルモンを分泌します。
これらのホルモンは血圧・心拍数・血糖値を上げ、糖尿病を悪化させるため、ストレスのある環境にいると病状が悪化するリスクがあります。
本来、人間は食後にインスリンの働きによって血糖値が下がりますが、強いストレスを受け続けるとインスリンの感受性が鈍くなり、血糖値が下がりにくくなります。
インスリンが正常に働かないと血糖値が上がったままとなり、糖尿病が悪化する可能性があります。糖尿病の有無に関わらず、ストレスは溜め込まないようにしましょう。
適正体重を保つ
糖尿病の予防には、適正体重を保つことが重要です。適正体重とは、身長に合った体重のことで、病気になりにくい体重となります
適正体重は糖尿病以外の疾患防止にも有効であるため、身長と体重のバランスには常に気を付けておきましょう。
まとめ
糖尿病は内科で検査できます。また、複合的に他の症状が出ている場合は、眼科や泌尿器科で診てもらう必要もあります。
糖尿病は自覚症状がなく気づきにくい疾患であるため、発症したまま放置すると最悪の事態になる可能性も否めません。
自然治癒することはなく、誰もがなる可能性のある疾患だからこそ、自分自身で日々の生活に気を付けておく必要があるでしょう。
はまゆり糖・生活習慣病クリニック溝の口では、糖尿病と生活習慣病の検査を行っています。当院には糖尿病の専門医が常駐しており、軽度〜重度まで対応可能です。
医師は10年以上大学病院に勤務していた専門医で、内分泌疾患の診療経験も豊富なため、まずは気軽にご相談ください。