甲状腺の疾患による主な症状は?ホルモンの影響を解説
甲状腺の病気としては、主に甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)・甲状腺機能低下症(橋本病など)・甲状腺腫瘍の3つがありますが、それぞれ症状が異なります。
この記事では、甲状腺の疾患による主な症状、甲状腺ホルモンの影響、チェックすべき体の部位について詳しく解説します。
甲状腺の症状について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
甲状腺の疾患による主な症状
ここでは、甲状腺の疾患による主な症状について詳しく解説します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)に関する症状
甲状腺機能亢進症は、バセドウ病などが原因で引き起こされる疾患です。ここでは、バセドウ病に関する症状について詳しく解説します。
甲状腺の肥大
バセドウ病に罹患すると、甲状腺が腫大します。甲状腺とは、人間が生きていくのに必要なホルモンを作り、分泌する臓器です。
この甲状腺が肥大するのが、バセドウ病の症状となります。
髪の毛の脱毛
甲状腺機能亢進症では、髪の毛の脱毛が発生します。何もしていないのに髪の毛が抜けるため、人によっては精神的なショックを受けやすいです。
髪の毛が抜けやすく感じる場合は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)かもしれません。
眼球の突出
バセドウ病に罹患すると、眼球の突出が発生します。目がギョロッと飛び出して見えるため、肉体的な変化に気づきやすいです。
口の乾燥
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の症状に、口が乾燥しやすくなるというものがあります。
十分に水分補給しているにもかかわらず口が渇く場合は、甲状腺に異常が発生している可能性があるため、早めに医師に診てもらうのが重要です。
息切れ
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の症状に、息が切れやすくなるというものがあります。
ちょっとした運動や階段の上り下り、坂道などで息切れする場合は、甲状腺に異常が発生している可能性があるため、早めに病院に行くのが重要です。
手足の震え
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)になると、手足の震えが発生する場合があります。物を掴もうとした際や、何か作業をしている際に手足が震える場合は要注意です。
甲状腺に異常があると手足に影響するため、普段から手足の動きには注意しておきましょう。
筋力の低下
筋力の低下は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)に見られる症状の一つです。段々と筋力が低下して、以前と比べて運動能力が低下します。
体温の上昇
体温の上昇は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)に見られる症状の一つです。平熱と比較して、体温が上昇した状態となります。
常に体が火照っている場合は、専門医にご相談ください。
体重の減少
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、体重の減少に注意が必要です。
一度罹患すると、生活習慣が変わっていなくても体重が徐々に減少することがあります。普段よりも減ったと感じる場合は、甲状腺の異常を疑うのが望ましいです。
排便の増加
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、排便の増加に注意が必要です。
一度罹患すると、排便の回数や頻度、量が増加することがあります。普段よりも増えたと感じる場合は、甲状腺の異常を疑うのが望ましいです。
イライラ
ストレス社会では常にイライラしている人もいますが、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)にかかるとよりイライラしやすくなります。
理由があってイライラするのではなく些細なことにも苛立ちが隠せなくなるため、情緒が安定しない場合は注意が必要です。
多汗
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、多汗がよく見られます。汗っかきではなくても大量の汗をかくようになるため、比較的症状は自覚しやすいです。
いつもより汗をかきやすくなった場合は、甲状腺の病気を疑ってみてください。
動悸
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、動悸が起きやすくなります。血管や心臓がバクバクしやすくなるため、比較的自覚しやすい症状といえるでしょう。
何もしていないのに動悸が見られる場合は、甲状腺に異常があるかもしれません。
微熱
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、微熱が続きやすくなります。常に微熱が出ている状態となるため、比較的自覚しやすい症状といえるでしょう。
甲状腺機能低下症(橋本病)に関する症状
甲状腺機能低下症は、橋本病などが原因で起こる病気です。ここでは、甲状腺機能低下症(橋本病など)に関する症状について詳しく解説します。
倦怠感・疲労感
甲状腺機能低下症(橋本病など)特有の症状として、倦怠感・疲労感があります。特に疲れているわけではないのに、体がだるくて何もしたくなくなっている状態が続く場合は要注意です。
普段より気力・体力が損なわれている場合は、甲状腺機能低下症(橋本病など)を疑いましょう。
眉毛の脱毛
甲状腺機能低下症(橋本病など)では、眉毛の脱毛が発生します。眉毛が自然と抜けやすくなり、指で摘まむだけで抜け落ちるため、扱いには注意が必要です。
肌の乾燥
甲状腺機能低下症(橋本病など)の症状に、肌が乾燥しやすくなるというものがあります。
十分にスキンケアしているにもかかわらず肌が渇く場合は、甲状腺に異常が発生している可能性があるため、早めに専門医に診察してもらうのが重要です。
体重の増加
甲状腺機能低下症(橋本病など)は、体重の増加に注意が必要です。
一度罹患すると、生活習慣が変わっていなくても体重が徐々に増加することがあります。普段よりも増えたと感じる場合は、甲状腺の異常を疑うのが望ましいです。
動作の減少
甲状腺機能低下症(橋本病など)は、動作の減少に注意が必要となるでしょう。
一度罹患すると、動作の回数や頻度、量が減少します。普段よりも減ったと感じる場合は、甲状腺の異常を疑うのが望ましいです。
冷え性
普段から冷え性気味の人は気づきにくいですが、甲状腺機能低下症(橋本病など)では冷え性の症状が顕著になります。
普段、冷え性ではない人も冷え性になりやすいため注意が必要です。手足など体の末端が冷たく感じやすくなった場合は、甲状腺の異常を疑ってみてください。
眠気
甲状腺機能低下症(橋本病など)は、眠気を引き起こしやすい病気です。日中・夜中に関係なく睡魔が襲ってくるため、集中力の低下にもつながります。
眠気を感じる場合は無理に活動しようとせず、ゆっくりと休憩・昼寝を挟みましょう。
むくみ
甲状腺機能低下症(橋本病など)は、むくみになりやすいです。手足が張る・膨らむような感覚がある場合、甲状腺に異常が発生している可能性があります。
ただし、むくみは日常生活でもよく見られる症状で判断が難しいです。他の症状と一緒に見られる場合は、甲状腺機能低下症(橋本病)の専門医にご相談ください。
甲状腺腫瘍に関する症状
甲状腺腫瘍は、文字通り甲状腺に腫瘍ができる疾患です。ここでは、甲状腺腫瘍に関する症状について詳しく解説します。
首のしこり
甲状腺腫瘍は、喉にある甲状腺の部分にしこりが出現します。首のしこりはほとんどが良性であるため、過度な心配は不要です。
しかし、悪性の場合があるため、首に違和感がある場合は甲状腺腫瘍を診てくれる病院で検査してもらいましょう。
喉の違和感
甲状腺腫瘍は、喉に違和感を抱きやすくなります。食べ物や飲み物を飲み込むときに圧迫感があるため、比較的自覚しやすいです。
他にも喉の痛みや声のかすれなど、他の症状が見られる場合があるため、早めに医療機関に相談しましょう。
チェックすべき体の部位
甲状腺に異常が出ているかどうかは、体の部位を見ることである程度の自覚が可能です。しかし、どこを見れば良いのかわからない人もいるのではないでしょうか。
ここでは、チェックすべき体の部位について詳しく解説します。
目
甲状腺に異常が見られる場合、まずは目に異常がないかチェックしてみましょう。
例えば、いつもより目が飛び出て見える場合は、甲状腺に異常が発生している可能性があります。なかでも、バセドウ病は目の突出が顕著であるため、日々のチェックが重要です。
各種臓器
消化器・循環器など、各種臓器のチェックは健康維持に欠かせません。
甲状腺は喉周辺に関する病気ですが、消化器や循環器にも影響を及ぼします。甲状腺ホルモンの増減で、軟便になったり便秘になったりと排泄に影響が出るため注意が必要です。
そのため、内臓の働きが正常かどうかも常にチェックしておきましょう。
手足
甲状腺に異常が見られると手足が冷えたりむくんだりするため、手足の状態は常にチェックしておきたいです。
手足の症状は他の病気の可能性があるため、異常が見られた場合は早めに医療機関に相談することを推奨します。
治療が遅れると完治までに時間がかかったり手遅れになったりする可能性が否めないため、異常が見られた場合は専門医にご相談ください。
まとめ
甲状腺の病気になると、いくつかの症状が見られます。ただし、甲状腺ホルモンの増減によって症状が変わるため、早めに専門医に相談することが重要です。
甲状腺関連の代表的な病気には、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)・甲状腺機能低下症(橋本病など)・甲状腺腫瘍があります。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調に変化をもたらすため、適度にバランスを保つことが重要といえるでしょう。
自分自身で甲状腺ホルモンを整えるのは難しいため、専門医に相談するのが望ましいです。はまゆり糖・生活習慣病クリニック溝の口では、甲状腺の病気に対応しています。
当院は糖尿病をはじめとする生活習慣病を専門に対応している医療機関で、甲状腺の病気にも対応可能です。
甲状腺をはじめ、血糖値やコレステロール値、尿酸値、血圧に異常が見られると健康診断で指摘された方は、ぜひお気軽にご相談ください。