糖尿病の初期症状は?チェックリストとなりやすい人の特徴を解説
糖尿病は、自覚症状があまりない病気かつ「男性がなりやすい」という印象があるため、気づかずに過ごしている女性が多いです。
なかには、初期症状が出ているにもかかわらず放置している女性も少なくありません。この記事では、糖尿病の初期症状や特徴について詳しく解説します。
糖尿病の初期症状
はじめに、糖尿病の初期症状について詳しく解説します。
目の霞み
糖尿病の初期症状として、よく挙げられるのが目の霞みです。
日常生活で目が見えにくくなることは稀にありますが、慢性的に目が霞んでいる場合は糖尿病の可能性があります。
目の霞みだけで糖尿病とは断定できませんが、しばらく視界不良が続く場合は、早めに検査を受けましょう。他の病気の可能性もあるため、早めに病院で診てもらってください。
喉の渇き
糖尿病の初期症状としては、喉の渇きもよく挙げられます。
何もしていないのに喉が極端に渇く人や、ちょっと動いただけで猛烈に喉が渇く人は、糖尿病を罹患している可能性があります。
水分を摂取しても喉の渇きが癒えない場合、糖尿病の可能性が低くないため、早めに糖尿病の専門医に診てもらってください。
立ちくらみ
糖尿病の初期症状では、立ちくらみに要注意です。
最初は軽度だったのが次第に重度のめまいへ変わり、最終的には立っていられないほどのふらつきが発生します。
糖尿病の症状があると、高血糖による脱水や血圧変動により立ちくらみをおこしやすくなるため、よく立ちくらみすると感じる場合は早めに治療を行いましょう。
なお、血糖降下薬による低血糖状態でも同様の立ちくらみが引き起こされる場合もあるため、詳しくは主治医にお尋ねください。
皮膚の痒み・乾き
糖尿病になると、皮膚の痒みや乾きが発生しやすくなります。高血糖による脱水症状や自律神経の乱れによって汗をかきにくくなり、皮膚の乾燥状態が続きます。
高血糖状態が続くと血液中のブドウ糖と一緒に体内の水分が尿として排出されるため、結果的に脱水症状や自律神経の乱れが加速するわけです。
最終的には皮膚のバリア機能が失われ、ウイルスや細菌による皮膚感染症にかかりやすくなるため、早急な対処が必要です。
全身の倦怠感・疲労感
糖尿病の初期症状としてよく挙げられるのが全身の倦怠感・疲労感です。
糖尿病になるとインスリンの作用が下がり、糖を細胞内に取り込めないことで血中の糖の濃度が上がります。
慢性的な高血糖状態が続くと、体内に必要な糖を取り込めずエネルギー不足となります。エネルギー不足の状態が、全身の倦怠感・疲労感の原因です。
全身が常にだるく感じられる場合は一度糖尿病を疑いましょう。
手足の痺れ・冷え・むくみ
糖尿病の初期症状としてよく挙げられるのが、手足の痺れ・冷え・むくみです。
手足の痺れは、長時間の圧迫や血流の悪化、神経伝達による代謝の問題、その他の影響で発生しやすくなると考えられています。
糖尿病になるとこうした手足の痺れが慢性的に発生する他、冷えやむくみも発生しやすくなるため、手足の不調を感じる方は一度糖尿病を疑ってみてください。
頻尿・多尿
糖尿病になると、頻尿・多尿など尿に関する問題が発生しやすくなります。
高血糖状態が長期間続くと、体内では血液中の余分な糖を尿中に排泄する動きが活発となり、頻尿・多尿の傾向が強くなります。尿に異常が見られる場合は糖尿病を疑いましょう。
なお、糖尿病の人の尿は多量のブドウ糖が含まれているため、甘い匂いがします。日々排泄するなかで、尿に異常がないかは常にチェックしておきましょう。
食べても瘦せる
糖尿病は、食事から摂取したブドウ糖をエネルギーとして消費せず、体内の脂肪や筋肉のタンパク質をエネルギー源として分解するため、食べても痩せるようになります。
特に糖尿病の人は食事後に分泌されるインスリンが減るため、ブドウ糖をエネルギーとして変換するのが難しいです。
結果的に、食べても食べても痩せるという逆転現象が引き起こされるため、食事量と体重が見合わない方は糖尿病を疑った方が良いかもしれません。
急激に太る
糖尿病は急激に太ることもあります。
肥満は生活習慣が原因と考える人もいますが、糖尿病によって引き起こされている可能性もゼロではありません。実際に、肥満と糖尿病は密接に関係しています。
太りやすい体質でもないのに最近になって急激に太った人は、糖尿病を疑いましょう。
糖尿病のチェックリスト
ここからは、糖尿病のチェックリストをご紹介します。以下の項目に複数当てはまる方は、糖尿病の検査を受けるのが望ましいです。
- 目が霞むようになった
- 喉が乾くようになった
- 立ちくらみするようになった
- 皮膚に痒みや乾きを感じるようになった
- 全身に倦怠感・疲労感を抱くようになった
- 手足に痺れ・冷え・むくみが出るようになった
- 頻尿になった・尿量が増えた
- 食べても痩せるようになった
- 急激に肥満体型になった
もちろん、人によって糖尿病の初期症状は異なるため、ここで挙げたチェックリストがすべてとはいえません。
該当する項目が複数ある場合は、糖尿病検査に対応している病院を受診してください。
糖尿病になりやすい人の特徴
ここからは、糖尿病になりやすい人の特徴について詳しく解説します。
毎日の食生活が乱れている
毎日の食生活が乱れている人は、糖尿病になりやすいです。例えば、以下のような食生活を送っている人は、特に注意が必要となります。
- 外食が中心になっている
- 糖質を中心に摂取している
- 食物繊維を摂取していない
社会人は仕事が忙しくてなかなか自炊できていない人もいますが、外食中心の食生活は糖尿病になりやすいとされています。
外食が中心でなくても、糖質を中心に摂取している人は要注意です。糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素の総称で、体内でエネルギー源として利用されます。
糖質を過剰に摂取すると糖尿病になりやすくなるため、予防を考えた場合は、食物繊維を積極的に摂取しましょう。
食物繊維はブドウ糖の吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる他、腸内環境のバランスを整えてくれるため、1日20g以上摂取するのが良いでしょう。
毎日ストレスを抱えている
糖尿病は、毎日ストレスを抱えている方がなりやすいです。
人はストレスを感じると、アドレナリンやコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌され、過剰分泌されると血圧・心拍数・血糖値が急上昇します。
本来、アドレナリンやコルチゾールは人がストレスに耐えるために必要なホルモンです。
しかし、糖尿病の人は血糖値が上がることで症状が悪化する他、ストレスを受けることでインスリンの作用が鈍くなり、血糖値が下がりにくくなることがわかっています。
そのため、ストレスは糖尿病にとって天敵といえるでしょう。
飲酒・喫煙の習慣がある
お酒を過剰に摂取すると、肝臓がアルコールを分解する過程で血糖値が上がるため、糖尿病の人は多大な影響を受けやすくなります。
また、タバコを吸うと交感神経が刺激されて血糖値が上がる他、インスリンの働きを妨げるため、同じく糖尿病の人は避けなくてはいけません。
飲酒・喫煙の習慣がある人は、定期的に健康診断を行うことを推奨します。
運動不足・睡眠不足
運動不足や睡眠不足の人も、糖尿病になりやすいとされています。
運動や睡眠はインスリンの感受性を改善する重要な要素の一つで、定期的に運動したり十分な睡眠を確保したりすることで、血糖コントロールを改善できます。
運動や睡眠はストレス解消にも欠かせないため、意識的に取り入れるのが良いでしょう。
長時間座っている
長時間座っている人は、糖尿病になりやすいです。
また、1日で座ったままの時間が6〜8時間以上の人は、糖尿病だけでなく心臓病にもなりやすいとされています。
世界中で実施されている調査でも、座りっぱなしは健康を害するとの結論が出ているため、定期的に立ち上がって血流を促進させることが重要です。
糖尿病は40代以降が要注意
ここからは、40代以降の糖尿病について詳しく解説します。
40代以降は糖尿病になりやすい
糖尿病は、40代以降でかかりやすくなります。
特に女性は更年期と言われる時期に入ると、女性ホルモンのエストロゲンが激減し、分泌量が安定しなくなります。
エストロゲンは血糖値を調整する働きを担っているため、激減して分泌量が安定しなくなると糖尿病になりやすくなるというわけです。
糖尿病は男性がなりやすいという印象があるかもしれませんが、性別に関係なく発症する病気であるため、40代以降は特に注意が必要です。
中高年が陥る2型糖尿病とは
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、中高年がなりやすいのは2型糖尿病です。
2型糖尿病は糖尿病患者の約95%を占めており、遺伝的な要因に運動不足や睡眠不足、食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症するのが一般的です。
はっきりとした原因はまだわかっていませんが、2型糖尿病は生活習慣病と密接に関係しているとされ、生活習慣が乱れている人ほどなりやすいとされています。
なかでも食生活が乱れている人、飲酒・喫煙の習慣がある人、高血圧で治療している人、高血糖を指摘された人は注意が必要です。
若い年齢層も糖尿病になる
糖尿病は中高年がなりやすいものの、若い年齢層の人も発症します。
年齢を重ねてから対策する方が多いですが、糖尿病は気づいたときには手遅れになっていることも少なくありません。
そのため、若いからと油断するのではなく日頃から生活習慣を見直し、健康的な食生活を送るように心がけましょう。
男性がなりやすい
糖尿病は男性の方が女性よりも発症割合が多いのですが、そこには生活習慣の差が大きく影響しています。
男性は外食中心の生活を送っている人が多く、飲酒や喫煙を好む人も少なくありません。暴飲暴食による食生活の乱れも女性と比べて顕著です。またその生活習慣を改善することが、男性の方が苦手とも言われています。
またインスリンの効きが女性よりも男性の方が悪いことも糖尿病になりやすい原因とされています。
ただし、最近では女性も男性と生活習慣が似通ってきた背景があり、必ずしも女性が糖尿病になりにくいとはいえません。
男性も女性も糖尿病になるリスクはあるため、まずは日頃の生活習慣を見直しましょう。
糖尿病は妊娠中が要注意
最後に、妊娠中の糖尿病について詳しく解説します。
妊娠中は糖尿病になりやすい
妊娠中は、糖尿病になりやすいとされています。
女性は妊娠すると、胎盤から出るホルモンの働きでインスリンの働きが抑えられ、妊娠していないときと比べて血糖コントロールが難しくなります。
胎盤ではインスリン分解が促進するため、より血糖値のコントロールは難しくなるでしょう。
特に妊娠後半は高血糖になる場合があり、妊娠糖尿病と診断される人もいるため、注意が必要です。
まとめ
糖尿病の初期症状としては、目の霞み、喉の渇き、立ちくらみ、皮膚の痒み・乾き、全身の倦怠感・疲労感、手足の痺れ・冷え・むくみ、頻尿・多尿などが挙げられます。
他にも、食べても痩せたり、急激に太ったりなどの体型の変化には注意が必要です。
糖尿病は男性の方がなりやすい病気とされてきますが、女性も決して珍しいわけではなく、自覚症状のないまま病状が悪化していることも珍しくありません。
そのため、定期的に病院で検査を受けることが望ましいです。
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